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相続した外貨預金の評価額はいくら?計算方法と手続き・注意点

相続

亡くなった家族の財産に米ドルなどの外貨預金があると、どのように相続税を計算すれば良いのか迷うことがあります。

外貨預金の相続税評価では、評価する日だけでなく、取引金融機関や預金の種類も確認する必要があります。

本記事では、日本円への換算方法を中心に、相続手続きと相続後の注意点を解説します。

外貨預金の相続税評価額の計算方法

 

外貨預金の相続税評価は原則として、外貨預金口座がある金融機関の相続開始日(死亡日)の最終TTB(またはこれに準ずる相場)を使って日本円に換算します。

評価するときに確認するポイントを整理したものが以下の表です。

確認する項目 原則となる取扱い
評価する日 相続開始日(死亡日)
使用する為替レート 相続開始日の最終TTB(またはこれに準ずる相場)
為替相場を確認する金融機関 外貨預金口座の取引金融機関
死亡日に相場がない場合 死亡日より前で最も近い日の相場

TTBは、金融機関が顧客から外貨を買い取る際の為替レートです。

為替相場にはTTMやTTSもありますが、外貨預金の相続税評価では原則としてTTBを使用します。

外貨預金の相続税評価額の計算式

外貨預金の相続税評価額は、外貨建てで求めた預金の評価額をTTBで日本円に換算して計算します。

相続税評価額=外貨建ての預金の評価額×TTB

例えば、外貨建ての預金の評価額が2万米ドルで、取引金融機関の相続開始日の最終TTBが1米ドル=145円だった場合、相続税評価額は次のとおりです。

2万米ドル×145円=290万円

したがって、この外貨預金は290万円として相続財産に計上します。

外貨預金は種類によって既経過利子の扱いが異なる

計算の基礎となる「外貨建ての預金の評価額」の求め方は、外貨普通預金と外貨定期預金で異なります。

預金の種類 既経過利子の扱い 円換算前の評価額
外貨普通預金 少額であれば省略できる 省略できるときは死亡日の残高
外貨定期預金 原則として加算する 死亡日の元本+既経過利子-源泉所得税相当額

外貨普通預金は既経過利子が少額なら残高で評価できる

預貯金は原則として、預入高に既経過利子を加え、利子に対する源泉所得税相当額を差し引いて評価します。

ただし、財産評価基本通達203では、外貨普通預金など定期預金等以外の預貯金について、既経過利子が少額な場合は相続開始日の預入高で評価できるとされています。

同通達には「少額」を一律に判定する具体的な金額は示されていません。

判断に迷うときは、税理士への相談をおすすめします。

外貨定期預金は既経過利子を含めて評価する

外貨定期預金は、原則として相続開始日に解約した場合に受け取れる既経過利子を含めて評価します。

計算の考え方は次のとおりです。

外貨建ての評価額=死亡日の元本+既経過利子-源泉徴収されるべき所得税相当額

この外貨建ての評価額を、前述したTTBで日本円に換算します。

既経過利子は中途解約時の利率などによって変わるため、金融機関に相続開始日時点の金額を確認するとよいでしょう。

外貨預金を相続するときの手続き

外貨預金も、ほかの預貯金と同様に金融機関で相続手続きが必要です。

ここでは、相続税評価に必要な資料の取得や、外貨ならではの受取方法について確認しておきましょう。

金融機関に残高証明書などを依頼する

まず、外貨預金がある金融機関に連絡し、相続開始日(死亡日)時点の残高など、必要に応じて次のような情報・資料を確認します。

  • 通貨・口座ごとの相続開始日時点の残高
  • 評価に使用するTTBを確認できる資料
  • 外貨定期預金の既経過利子や税額の内訳

金融機関によっては、相続開始日現在の残高証明書や経過利息計算書などを発行しています。

必要な資料や申請方法は金融機関によって異なるため、相続手続きを申し出る際にあわせて確認するとよいでしょう。

外貨のまま引き継ぐか円貨で受け取るかを確認する

相続した外貨預金を外貨のまま引き継げるか、円貨で払い戻すかは、金融機関や商品によって取扱いが異なります。

外貨のまま引き継ぐ場合は、相続人名義の外貨預金口座が必要になることもあります。

円貨で受け取る場合は、払戻し時の為替レートや手数料を確認しておきましょう。

なお、相続税評価には相続開始日のTTBを使用しますが、後日円貨で払い戻す場合は、払戻し時に金融機関所定の為替レートが適用されます。

そのため、相続税評価額と実際の受取額が一致するとは限りません。

外貨預金を相続するときの注意点

外貨預金の相続では、評価額の計算に加え、海外口座の課税関係、納税資金、相続後の取引に伴う所得税も確認します。

特に、相続時の評価と相続後の為替差損益は、分けて考える必要があります。

海外の金融機関にある外貨預金は課税関係を確認する

「外貨預金」は通貨の種類に着目した言葉であり、「海外にある預金」と同じ意味ではありません。

国内の銀行にも米ドル預金はあり、海外の金融機関にも円建ての預金があります。

相続人が日本国内に住所を有するなど、国外財産も課税対象となる場合は、海外の金融機関にある預金も日本の相続税の対象です。

ただし、被相続人や相続人が海外に居住している場合などは、住所・国籍・過去の居住状況によって課税対象となる財産の範囲が異なることがあります。

相続後に円転・運用すると為替差損益が生じることがある

外貨預金の相続手続きや相続税申告が終わったあとも、外貨を円に交換したり、別の資産の購入に使ったりすると、為替差益が生じて所得税の課税対象となることがあります。

ただし、同じ外貨のまま預金先を変更するだけなど、為替差益を認識しないケースもあります。

相続後に外貨を円転・運用する場合は、相続税とは別に所得税の確認が必要になることを覚えておきましょう。

相続税を納付するための資金も確認する

相続した外貨預金を相続税の納付資金に充てる場合は、払戻しや円への交換にかかる日数を早めに確認しておきましょう。

また、実際に円転するときの為替レートによって受取額が変わるため、実際に円転して受け取る円貨額は、相続税評価額と一致するとは限りません。

相続税の申告・納付期限は、原則として被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

納付期限に間に合うよう、為替変動も見込みながら余裕をもって円資金を確保しておくことが大切です。

まとめ:外貨預金の相続税評価に迷ったら税理士へ相談する

外貨預金の相続では、使用する為替レートや、預金の種類に応じた既経過利子の扱いなど、確認すべき点がいくつかあります。

また、相続後に外貨を円転したり、別の通貨や金融商品へ移したりすると、所得税の課税関係が生じることもあります。

判断に迷ったら、相続や外貨取引に詳しい税理士へ早めに相談してください。

資料の不足を確認し、相続税の申告からその後の取引まで見通しを立てることで、申告漏れや手続きの遅れを防ぎやすくなります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の判断については、専門家にご相談ください。

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