経理初心者の心強い味方、資金繰り表のススメを徹底解説

税務情報

資金繰り表は、収入、支出、現金残高を記録していくだけでキャッシュフローを把握できるシンプルな資料なので、経理初心者にも挑戦しやすいと思います。さらに不動産経営の心強い味方であり、さまざまなピンチを予測し、回避できるようになります。記帳は会計事務所に任せている人も資金繰り表を記録することをおすすめします。

資金繰り表とは

資金繰り表は、企業や個人のお金の流れを可視化するための資料です。具体的には、収入と支出を時系列に沿って記録し、資金の過不足を予測するために使用します。

不動産投資においては、賃料収入やローン返済、修繕費用など、さまざまなキャッシュフローを管理することができます。

資金繰り表の作り方

資金繰り表は以下の主要な構成要素、収入、支出、現金残高の3つから成り立っています。

収入には、賃料収入、駐車場収入、管理費収入など不動産所得が当てはまります。一方の支出は、ローン返済、管理費、税金、保険料などの固定費、修繕費、メンテナンス費用などの変動費とさまざまな費用が当てはまります。そして現金残高は、月初現金残高と月末現金残高の2つです。

資金繰り表を作成するには、収入の記録、支出の記録、現金残高の計算の3つを行う必要があります。

収入の記録では、毎月の賃料収入やその他の収入を記録します。不動産収入は基本的に毎月一定ですが、特別な収入があった場合は都度記録します。さらに、毎月の支出も記録します。ローン返済は毎月金額が決まっている固定費ですが、修繕費やメンテナンス費用は月によって変動することがある変動費です。収入と支出を正確に記録することで、キャッシュフローを把握できるようになります。

収入から支出を差し引き、月初と月末それぞれの現金残高を計算します。これにより将来、資金不足になるかどうかを予測することができます。

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資金繰り表を作成するメリット

資金繰り表の作成するメリットは大きく3つあります。

1.キャッシュフローの把握

大きなメリットとして、キャッシュフローをしっかり把握できる点です。

毎月の賃料収入やローン返済、修繕費などの収入や支出を記録することで、資金の流れを一目で確認できる資料ができます。これにより、どの月に資金が不足する可能性があるか、逆にどの月に余裕があるかを予測することができるようになります。

急な修繕や予期せぬ支出が発生した際にも迅速に対応できるようになります。また、将来の資金計画も立てやすくなり、新たな投資を検討する際にも余剰資金をどの程度確保できるのか見極めることもできます。

2.無駄な支出の削減

資金繰り表を作成することで、無駄な支出を明確にし、削減するなど具体的な対策を検討できます。毎月の支出を記録することで、どの項目に費用がかかりすぎているかを把握できます。

不要な支出を見直すことで、効率的な資金運用が可能になり、できた余剰資金を物件の定期的なメンテナンスに回して突発的な修繕費のリスクを減らせるようになります。

3.投資判断の材料

資金繰り表は、投資判断を行う際の重要な材料です。複数の投資物件を保有している場合、それぞれの物件ごとのキャッシュフローを比較することで、どの物件が最も安定しているかを判断し、資産の整理やリスク分散を考えることができます。

新たな投資を検討する際も、資金繰り表を通して得た知識が役に立ちます。予測される収入と支出をシミュレーションし、新しい投資についてじっくり検討することができます。

資金繰りの相談は誰にする?資金にひっ迫する前から早期に相談しておこう

資金不足を防ぐ事前対策

資金繰り表を作成したところ、資金不足になる可能性が出てきたらどう対策すればよいのでしょうか。資金不足を回避する方法を4つ、ご紹介します。

支払日を調整してもらえないか交渉する

資金不足になる原因になる支出が決まっている場合、その支払い日を調整してもらえないか業者と交渉することは一見シンプルですが効果的な方法です。例えば、分割払いにしてもらえれば、月ごとの支払い負担を減らすことができます。

金融機関から資金調達する

一時的な資金不足を補うために、金融機関からの借り入れや、既存のローンの借り換えを検討することも有効です。

借り入れを行う場合は、記録していた資金繰り表をもとに具体的な返済計画を提示することで、金融機関との交渉がスムーズになります。

投資計画の見直し

現在の投資計画が資金不足を引き起こしている場合、投資計画の見直しをしましょう。新たな投資を見送る、または保有物件を売却して資金を確保するなど、利益とコストのバランスを再検討します。

現時点では資金不足の心配はなくても、用意しておきたいのが余剰資金です。不動産投資では突発的な修繕費や空室による収入減少など、予期せぬ支出がつきものです。トラブルに備えるために3〜6か月分の運営費用の金額を確保しておきましょう。

中小企業の資金繰り問題。税理士に相談するメリットとは?

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資金繰り表は、経理初心者の方も作りやすい資料であり、不動産投資において欠かせないデータです。キャッシュフローの把握、無駄な支出の削減、投資判断の材料として活用することで、安定した不動産経営をサポートしてくれます。エクセルやGoogleのスプレッドシートで簡単に作れますので、ぜひ資金繰り表の作成に挑戦してみてください。

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