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吸収合併で不動産取得税は非課税?要件と注意点を税理士が解説

不動産

会社の合併では、消滅する会社が持っていた不動産を存続会社が引き継ぎます。このとき気になるのが不動産取得税の扱いです。実は、吸収合併による不動産の取得は、形式的な所有権の移転として非課税になる扱いが地方税法に定められています。一方で、会社分割とは要件が違うため、思い込みで進めるのは危険です。この記事では、吸収合併にともなう不動産取得税の非課税要件と注意点を、税理士の視点からわかりやすく解説します。

税理士が解説する吸収合併と不動産取得税の非課税要件の基本

 

吸収合併で不動産取得税が非課税になる背景には、合併という手続きの性質があります。ここでは、基本の仕組みから順に見ていきましょう。

吸収合併は会社の権利義務を丸ごと引き継ぐ手法

吸収合併は、消滅する会社の権利義務を存続する会社がすべて引き継ぐ手法です。不動産や借入金、契約関係などを個別に移す必要はなく、法律上まとめて承継されます。グループ会社の整理や事業の統合の場面で広く使われており、不動産を多く持つ会社の再編でも選ばれやすい方法といえるでしょう。物件を1件ずつ売買する場合と比べ、手続きの流れが大きく異なります。

合併による不動産の取得は形式的な移転と扱われる

不動産取得税は、売買や贈与などで不動産を取得したときに都道府県が課す税金です。ただし、吸収合併による取得は実質的な売買ではなく、会社の組織が変わることにともなう形式的な所有権の移転と考えられています。地方税法にはこうした形式的な移転を非課税とする定めがあり、合併による不動産の承継はその対象に含まれています。

税理士は組織再編全体の税務を設計する

合併では不動産取得税だけではなく、法人税の扱いや株主の課税など、検討すべき論点が数多く出てきます。適格合併に当たるかどうかで法人税の負担も変わるため、全体を見渡した設計が欠かせません。税理士は再編の目的を踏まえ、どの手法を選ぶと負担を抑えられるかを整理する役割を担います。合併を決める前の段階から関わってもらうと、判断の材料がそろいやすくなるでしょう。

吸収合併と会社分割で違う不動産取得税の非課税要件を税理士が比較

 

同じ組織再編でも、吸収合併と会社分割では不動産取得税の扱いが異なります。ここでは、両者の非課税要件の違いと、あわせて知っておきたい税金を整理しましょう。

吸収合併は包括承継のため扱いがわかりやすい

吸収合併では、消滅会社の資産と負債が法律上まとめて存続会社へ移ります。承継の範囲を当事者が選ぶ余地がなく、形式的な移転という性格がはっきりしているため、非課税の扱いは比較的わかりやすい仕組みです。しかし、再編の形によっては判断が分かれる場合もあります。自社のケースが対象になるかどうかは、都道府県の案内や税理士への相談で確かめておくと安心でしょう。

会社分割は複数の非課税要件を満たす必要がある

会社分割で不動産を承継する場合は、合併と違い、非課税になるための要件が細かく定められています。分割の対価の内容や事業の継続の見込み、従業者の引き継ぎなど、複数の条件をすべて満たすことが求められる仕組みです。ひとつでも外れると課税される可能性があるため、注意が必要になります。具体的な要件の内容は改正で変わる場合もあるため、最新の情報は税理士などの専門家にご確認ください。

登録免許税は非課税にならない点に注意する

不動産取得税が非課税でも、合併による所有権移転の登記には登録免許税がかかります。税率は売買による移転より低く設定されていますが、ゼロにはなりません。物件の数が多いと負担もまとまった金額になりやすいため、再編の資金計画にあらかじめ入れておきましょう。適用される税率は年度によって見直される可能性もあるため、登記の前に最新の情報を確かめておくと安心です。

吸収合併の不動産取得税で非課税要件とあわせて税理士に相談したい注意点

非課税の扱いを受けるには、実務の手続きにも気を配る必要があります。最後に、吸収合併の実務で確認しておきたい注意点を見ていきましょう。

都道府県への申告や書類の提出が必要になる場合がある

不動産取得税は都道府県が課す税金のため、非課税の適用にあたって申告書や合併契約書などの提出を求められる場合があります。手続きの方法や必要書類は自治体ごとに違うため、不動産の所在地を管轄する都道府県税事務所に確かめておくと安心です。案内が届いてから慌てないよう、合併の登記が済んだ段階で早めに動くことをおすすめします。自治体ごとに手続きが異なるため、事前確認を行いましょう。

非課税と認められないケースを想定しておく

組織再編の形によっては、形式的な移転と認められず課税される可能性もゼロではありません。たとえば合併に似た取引でも、法律上の合併に当たらない形で不動産を移すと、通常どおり不動産取得税がかかります。名称や見た目ではなく、法律上どの手続きに当たるかで扱いが決まる点を押さえておきましょう。判断に迷う場合は、契約の前に専門家へ確認しておくと安心です。

合併の検討段階から税理士に相談する

不動産取得税の非課税は、合併というスキーム全体の中のひとつの論点にすぎません。法人税や登録免許税、その後の固定資産税の扱いまで含めて考えると、全体の負担は手法次第で大きく変わります。合併を決めてからでは選べる道が限られるため、検討を始めた段階で税理士に相談するのが得策です。試算を重ねながら進めると、思いもよらない税負担を避けやすくなります。

まとめ

吸収合併による不動産の承継は、形式的な所有権の移転として不動産取得税が非課税になる扱いが地方税法に定められた制度です。一方、会社分割では複数の非課税要件を満たす必要があり、登録免許税は合併でも別途かかります。非課税の適用には都道府県への手続きが必要になる場合もあるため、実務の確認は欠かせません。細かい要件は改正で変わる可能性もあります。組織再編を考え始めたら、早めに税理士へ相談し、最新の情報をもとに全体の税負担を設計していきましょう。

 

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