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法人税の誕生はいつ?法人税の変遷を歴史から紐解く

税務情報

日本において法人税はいつ頃誕生したのでしょうか?江戸時代以前は年貢として税に相当するものは存在していたものの、明治時代になり欧米化が進むと現在のような社会に変わりました。そして、第二次世界大戦が終戦となると、ほぼ現在と変わらない社会体制となっています。このコラムでは歴史を法人税の観点から解説します。

法人税の誕生は明治時代だった

明治時代にこれまでの日本の仕組みががらりと変わったことは皆様すでにご存じでしょう。その中でも税金に関する改革としては1873年の地租改正で、地価の3%が課税対象となることが決定されました。江戸時代以前は「年貢」と呼ばれていたものが、「税金」と名付けられるようになったのはこの頃です。

その後、1887年に所得税法が導入されることになります。日本が欧米の列強各国よりも遅れていたのを背景に、あらゆる面において海外の進んだ慣習を取り入れた時期です。なお、この所得税法は18世紀のイギリスで定められたものを参考にしています。所得税法導入の理由としては、軍事費増大や人々の負担の不均衡是正、高額納税者の政治参加が挙げられています。しかし、その当時に納税対象となったのは国民の1%にも満たない人口でした。

そして、法人税は所得税法の導入より少し後に導入されました。導入に際して議論がなされてきたものの、1899年に本格的に導入され、第一種所得(法人所得税)が創設されました。その当時は日清戦争や日露戦争など戦争が続き、軍事費が多く必要となった時代です。法人税導入の背景としては、軍事費を所得税だけでは補填できなかったためでしょう。

 

戦前の法人税

20世紀初頭に誕生した法人税ですが、ほどなくして始まった第一次世界大戦では好景気に伴って法人税収が好調となり所得税収を上回りました。この時代は大戦景気となり、輸入が途絶えたために内需が拡大し、重化学工業を始めとした多くの企業の勃興が相次いだのが法人税収増額の背景です。また、所得税の納税者数も大正になると増加しています。

そして、1940年の税制改正にて法人税法が制定されました。所得税もだいぶ現在の姿に近い状態となり、山林所得や不動産所得といった分類で所得を分けるようになったのもこの頃となります。

戦後の法人税

第二次世界大戦で敗戦した日本はアメリカの支配下にありました。そのようななかで税制を修正することになり、1950年にアメリカのカール・S・シャウプ博士の勧告に基づく税制改革が行われました。この改革では所得税の累進課税の推進や青色申告制度が導入されました。当時の日本はインフレであったため、一刻も早い日本の再建を目標にシャウプ博士は4ヶ月もの短い間に財政の調査をくまなく行い、GHQに調査書を提出しました。シャウプ博士による恒久的・安定的な税収を見込んだこの税制改革は、現在の税制の基礎となっています。様々な税金の税率が引き下げられたなかで法人税も同様に一律35%に引き下げられました。

しかし、シャウプ博士による税制改革は日本社会にそぐわない点があり、以後税制が修正されていくことになりました。高度経済成長期やドル・ショック、オイルショックなどを経てその都度税制が変わっています。

昭和56年には42%であった法人税率は時代を経るとともに、平成になると37.5%、平成11年には30%、現在は23.2%となっています。このように税率が次第に低くなりつつある背景には、国内企業の活性力を高めるためであったり、国際化に伴う競争力の維持が挙げられるでしょう。

 

日本の法人税のこれから

現在の日本の法人税率は23.2%で、世界各国と比較すると7位といった高さになります。ちなみに1位はポルトガルの31.5%です。日本の法人税率は昭和後半に42%だったこともあり推移で見るとだいぶ低くなったように思えますが、国際的に見るとまだ高い水準にあるとわかります。

法人税率が低くなるほど海外企業を誘致しやすくなるうえに起業がしやすいでしょう。そしてスタートアップ企業が生まれやすい土壌となります。しかし、世界と比べると税率が高い部類に入るのは、自国で雇用を創出できているので外国企業に頼る必要がないためです。現在では少子化対策の財源として法人税も検討されています。今後どのように税率が変化していくのでしょうか?また、少子化や人口減少に伴って産業が衰退して、法人税収が減少する可能性も考えられます。そのようなケースを想定すると海外企業の誘致が必要となるかもしれません。

 

法人税は景気を反映する税金

法人税は明治時代に制定されたものの、大きな戦争や高度経済成長期、オイルショックなどを経ながらも形を変えてきました。好景気になると税収が増え、不況になると減るといったシンプルな特徴があります。また、それぞれの時代の課題(例えば現代の少子化問題がその例でしょう)にフィットした税制へと修正しなければならないのも特徴です。法人税のみならず所得税などの他の税金でも同じようなことが言えますが、税金は時代そのものに影響されます。

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