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事業承継税制の特例措置とは 提出期限延長と活用時の注意点

相続

令和8年度税制改正で、事業承継税制の特例措置について計画提出期限が延長されました。

事業承継税制とは、経営承継円滑化法に基づく認定を受けることで、後継者が承継した一定の資産にかかる贈与税や相続税について、納税猶予の特例を受けられる制度です。

事業承継時に多額の贈与税・相続税が生じると、後継者が資金負担に耐えられず、承継そのものが難しくなることがあります。

事業承継税制を活用すれば、こうした税負担をいったん抑えながら承継を進められるため、後継者へ会社や事業を引き継ぎやすくなります。

法人版と個人版があり、法人版では非上場株式等、個人版では事業用資産が対象となります。

今回延長されたのは、あくまで計画提出の期限であり、実際に贈与や相続によって事業承継を行う期限そのものは延長されていません。 

この記事では、今回の改正点とあわせて、制度の概要や注意点、申請の流れまでを見ていきます。 

・事業承継税制の特例措置【法人版】

法人版事業承継税制には、一般措置と特例措置があります。

もともと事業承継税制は設けられていましたが、特例措置は平成30年度税制改正で創設された、10年間限定のより手厚い制度です。

特例措置は、一般措置に比べて対象株式数や猶予割合、後継者の範囲などが広く、事業承継を進めやすい内容になっています。

一般措置 特例措置
事前の計画策定等 不要 特例承継計画の提出が必要
計画書提出期限 令和9年9月30日まで

(令和8年度税制改正で延長)

適用期限 なし 平成30年1月1日~令和9年12月31日の贈与・相続
対象株数 総株式数の最大3分の2 全株式
納税猶予割合 相続80%・贈与100% 相続・贈与ともに100%
承継パターン 複数の株主から1人の後継者 複数の株主から最大3人の後継者
雇用要件 承継後5年間平均8割維持が必要 要件が緩和されている

表のとおり、特例措置は一般措置よりも適用範囲が広く、要件も一部見直されています。主なポイントは次の4つです。 

1. 株式にかかる贈与税・相続税を幅広く猶予できる

特例措置では、対象株式数の上限が撤廃され、承継する全株式が納税猶予の対象になります。また、贈与税・相続税ともに猶予割合は100%です。 

2. 後継者の範囲が広い

一般措置では、複数の株主から1人の後継者への承継が基本ですが、特例措置では、複数の株主から最大3人の後継者への承継が認められています。
これにより、親族内承継だけでなく、より柔軟な承継の形に対応しやすくなっています。 

3. 雇用要件が緩和されている

一般措置では、承継後5年間、平均で8割の雇用維持が求められますが、特例措置ではこの要件が弾力化されています。
そのため、雇用維持要件を満たせなかった場合でも、直ちに猶予が打ち切られるとは限りません。 

4. 将来の売却・廃業時の負担にも配慮されている

将来、会社を売却したり廃業したりする際に株価が下落している場合には、その時点の価額などを基に猶予税額を再計算し、当初の税額との差額が免除される仕組みがあります。
経営環境の変化による将来の負担に配慮した制度といえます。

・事業承継税制の特例措置【個人版】

法人版に加えて、個人事業者向けには個人版事業承継税制も設けられています。

これは、個人事業主の事業承継を後押しするため、令和元年度税制改正で創設された10年間限定の制度です。

一定の要件を満たすと、事業に使っていた一定の資産について、贈与税・相続税の納税猶予を受けられます。 

個人版の特例措置
承継の対象 事業用の一定の資産
猶予割合 贈与税・相続税ともに100%
計画提出期限 令和10年9月30日

(令和8年度税制改正で延長)

適用期限 令和10年12月31日までの贈与・相続等

 

個人版は、法人版のように株式を承継する制度ではなく、個人事業に使っていた事業用資産を後継者へ引き継ぐための制度です。

法人版と同様に期限のある制度ですが、対象となるのは非上場株式等ではなく、土地や建物、機械・器具備品などの特定事業用資産です。

・事業承継税制の注意点

事業承継税制は贈与税・相続税の負担を軽減できる制度ですが、適用を受ければそれで終わりではないことに注意が必要です。

法人版事業承継税制では、認定後も都道府県や税務署に対して継続的な報告・届出が必要になります。

例えば、税務申告後5年間は、都道府県へ年1回の年次報告書、税務署へ年1回の継続届出書を提出し、その後も税務署への継続届出書の提出が必要です。

また、納税猶予期間中に一定の取消事由や納税猶予期限の確定事由に該当した場合には、猶予されていた税額に利子税を加えて納付しなければならないことがあります。例を挙げると、納税猶予の対象となっている株式を譲渡した場合や、継続届出書を期限までに提出しなかった場合などです。

個別の事由は多岐にわたるため、制度を活用する際は事前に確認しておくことが重要です。

また、今回の改正で延長されたのは特例承継計画の提出期限であり、特例措置の適用期限そのものは延長されていません。

計画書の提出期限は延びたものの、実際に事業承継を行える期限は変わっていないため、活用を検討している場合は早めに準備を進めることが大切です。

・事業承継税制の手続きの流れ

簡単に、事業承継税制の手続きの流れを見ていきましょう。

詳しい要件や必要書類は、中小企業庁の案内をご確認ください(法人版はこちら、個人版はこちら)。

1.今回の承継が要件に当てはまるか確認する

2.特例措置を利用する場合は、特例承継計画を都道府県庁に提出する

3.都道府県へ認定申請をする

相続の場合は、相続開始の日の翌日から5か月を経過する日以後、8か月を経過する日までに申請します。

贈与の場合は、贈与認定申請基準日から、贈与日の属する年の翌年1月15日までに申請します。

4.都道府県庁から認定書の交付を受ける

5.認定書の写しを添付して、税務署へ相続税または贈与税の申告書等を提出する

 

なお、個人版も大枠は同じですが、個人版は個人事業承継計画の提出に加え、廃業届・開業届や青色申告の手続きが必要です。

承継後の報告負担は法人版より軽く、原則として都道府県への年次報告は不要です。

・事業承継税制は早めの準備が重要

事業承継税制は、後継者の税負担を抑えながら事業承継を進めやすくする制度です。なかでも法人版の特例措置は、一般措置に比べて対象株式数や猶予割合、後継者の範囲などが拡充されており、より活用しやすい制度になっています。

今回延長されたのは特例承継計画の提出期限であり、特例措置の適用期限そのものは延長されていません。

活用を検討している場合は、早めに専門家へ相談し、余裕をもって準備を進めることが大切です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家にご相談ください。

 

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