不動産が共有名義の時に売却する方法とは?トラブルの回避方法を解説

不動産

共有名義の不動産を売却しようと思っても、売却の仕方や注意点を理解しないと関係者と問題になりやすいです。そのため、自分にあった売却方法と注意点を知り、問題なくスムーズに売却できるように準備しましょう。

不動産オーナーでお悩みの方は一度、税理士事務所にご相談することをお勧め致します。

不動産が共有名義でも売却可能

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不動産が共有名義でも、方法を選べば売却は可能です。適切な売却方法を選べないと、親族や共有名義にしている人と問題に発展しやすいです。まずは、共有名義とは何かを知り、売却の準備をしましょう。

共有名義とは

共有名義とは、マンションや戸建てなどの物件を2人以上の人で出資し、出資額に応じた所有持分の登記をすることです。物件は、お金のように物理的に分けられないため、物件の何割を自分が持っているかを知っておくことが大切です。所有している割合を、持分割合と言います。

持分割合と共有持分権

持分割合は、相続の時や物件を購入した時の費用負担の割合で変わります。そのため、共有人が2人であっても50%ずつに分けられることはありません。例えば5,000万円の戸建てを購入する際、夫が3,000万円で妻が2,000万円を出した場合、夫の持分割合は5分の3、妻の持分割合は5分の2になります。共有者ごとに共有持分権があり、手元にある持分割合によって、共有持分権の行使可能な範囲が変わります。共有持分権の行使可能な範囲は、以下のとおりです。

行為 内容 条件
変更、処分

(民法第251条)

売却や贈与、抵当権の設定、取り壊し、増築 共有者全員の同意
管理

(民法第252条)

賃貸権(土地5年、建物3年)やリフォーム 共有者の過半数の同意

(持分割合で決まる)

保存

(民法第252条但書)

補修目的の工事、法占拠者への明け渡し請求 単独

手元にある持分割合によって行使可能な範囲が限られるため、持分割合を知っておきましょう。持分割合は、法務局もしくは登記情報提供サービスで登記簿謄本を発行することで、確認できます。共有持分権によってできる行使内容の詳細は、法務省の資料をご覧ください。

持分は売却できる

各個人の持分はそれぞれ完全な個人の所有物になるため、手元にある持分は売却可能です。そのため、共有持分権の行使と同様に、手元にある持分の売却に関して制限されることはありません。

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不動産が共有名義の時に売却するには?

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手元の持分を売却する方法はいくつかあります。状況や立場に合った方法を選ばないと、持分の売却が成立した後に、他の共有者と問題に発展しかねません。手放した後のことも考えて、自分にあった売却方法を選びましょう。

持分を自分以外の共有者に売却

手元の持分は、自分以外の共有者に売却可能です。共有している人が、自分ともう1人のみの場合、相手に持分を売却すると、相手は物件全体の名義を持つことになります。そのため、相手は自由に物件を運用できるようになるでしょう。住宅ローンを借りていると、名義変更を認めてもらえない場合があるため、住宅ローンを組んでいる金融機関で確かめる必要があります。

物件を自分以外の共有者と売却

自分以外の共有者に相談し、同意を得られれば、物件全体を売却可能です。共有者が多いと話し合いが困難になりがちですが、全員の同意を得られれば、売却後の問題は起きづらいでしょう。

持分を買取業者に売却

手元の持分を買取業者に売却可能です。買取業者へ持分を売却できれば、比較的早めに現金化できるでしょう。

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まとめ

手持ちの持分を売却した後に、自分以外の共有者と持分の売却が原因で、軋轢が生じてしまうことがあります。売却できたのに共有者との関係が悪化してしまうと、先の付き合いが難しくなるでしょう。問題の回避方法を知っておけば、売却後に軋轢が生じてしまうことも少なくなるため、問題の回避方法を見ておきましょう。

売却前に他の共有者と話し合う

他の共有者と話し合いをしないと、共有者同士で揉めてしまう原因となります。売却相手を、先の事を考えずに決めてしまうと問題が起きやすいです。誰かの持分割合が増えると、物件に行使できる行為の範囲が広がり、共有者間で権利の優劣がついてしまいます。そのため、売却する前に共有者同士で話し合い、売却する相手を決めたり、物件自体を売却したりするとよいでしょう。

買取業者への売却は慎重に行う

買取業者へ売却した時に起きてしまう問題は、以下のとおりです。

  • 持分価額が安くなりやすい
  • 買取業者が物件への出入りをするようになる
  • 買取業者が無理やり買取交渉を持ちかける

売却する時の価格が、物件全体を売った時の相場よりも、持分だけを売った時の方が安くなりやすいため、注意が必要です。また、共有持分権を使うと、物件への出入りが自由です。そして、早朝や深夜問わず訪問をしたり執拗に電話をかけてきたりなど、無理やり買取交渉を持ちかけることがあります。このような買取交渉は、単独名義を獲得するため行われます。そのため、他の選択を考える、もしくはいくつかの買取業者に査定をお願いするとよいでしょう。

共有持分を長く持ちすぎない

共有持分を長く持ちすぎると起きてしまう問題は、以下のとおりです。

  • 全ての共有者の意見をまとめることが困難になる
  • 全ての共有者が何者かを判断するのが困難になる

共有者が亡くなると、持分が相続され、共有者が増えてしまいます。そうすると、全ての共有者の意見をまとめる事が困難になるでしょう。また、共有者の人数が増えると、全ての共有者が何者かを判断するのが困難になり、場合によっては裁判をとおして手続きをする必要が出てきます。そのため、売却を考えた時点で早めの行動をおすすめします。共有者が不明の場合の手続きの詳細は、法務省の資料をご覧ください。

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まとめ

本記事では、自分の立場や状況にあった、不動産が共有名義の時の売却方法と売却時の問題回避方法を記載しました。持分の売却には、共有している人との話し合いが重要です。共有している人と意見を照らし合わせながら、不動産を問題なく売却することを目指しましょう。

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