黒字倒産はなぜ起こる?原因および回避方法を解説

みらい会計

「黒字倒産」とは、黒字であるにも関わらず倒産してしまうことをいいます。一般的に黒字であれば倒産するとは考えにくく、特殊な例だと思いがちです。しかし、東京商工リサーチによると、実際に2022年1月~12月に倒産し、直近の決算が判明した企業のなかで62.9%が、黒字から倒産直前に最終赤字となっており、ほぼ「黒字倒産」の状態であることがわかりました(2022年「倒産企業の財務データ分析」調査による)。

この記事では黒字倒産がおきる原因、回避するために日常的に気を付けておきたいこと、および対処方法を解説します。

黒字倒産とは?原因は資金不足

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黒字倒産とは、損益計算書では黒字であるにも関わらず、倒産することをいいます。損益計算書は一年間の企業の経営成績、いわば「儲かっているかどうか」を表すため、黒字倒産では儲かっているにも関わらず倒産していることになります。不思議に思えますが、黒字でも倒産してしまう原因は「資金不足」です。運転資金が不足して経営難に陥ることになります。

黒字倒産に陥る原因は、主に以下のような状況です。

  • 滞留在庫を抱えている
  • 売上債権の回収が滞っている
  • 大規模な設備投資をしたが、効果があまりない
  • 短期で返済しなければならない借入金が多い

在庫を仕入れたものの、なかなか販売できずに滞留したケースを考えてみましょう。1個1万円で商品を1万個仕入れて、1万5千円で販売する計画だとします。しかし1万個のうち、1,000個しか販売できなかった時、損益計算書では以下のようになります。

売上 15,000円×1,000個=1千5百万円

売上原価 10,000円×1,000個=1千万円

利益は5百万円の黒字です。しかし資金の流れとしては、以下のようになります。

支払 10,000円×10,000個=1億円

入金 15,000円×1,000個=1千5百万円

現金は8千5百万円不足することになります。この資金を工面できないと、仕入れ先に支払えずに倒産してしまいます。

他の状況でも入金よりも支払が多くなることを引き起こし、黒字倒産の原因になります。

黒字倒産を回避するために、常に実施しておきたい方法

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黒字倒産を回避するためには、損益計算書だけを見ていては難しいことがわかります。回避するための方法は、主に以下のとおりです。

資金繰り・キャッシュフローを確認する

資金繰りでは、入金と支払の流れと資金の残高を管理します。企業にとって主な入金は、売上債権の回収です。業種によっては現金取引の場合もありますが、企業では1ヶ月~数か月後に入金される掛取引が多いでしょう。販売時期と回収時期が異なる場合は、いつ入金になるのか管理する必要があります。同様に支払も納品と実際の資金の支払時期が異なることがほとんどです。実際の資金の流れを把握して資金の残高を確認することが大切です。

貸借対照表項目を確認する

資金繰りに特に影響を与える貸借対照表項目を確認しましょう。例えば、以下のような勘定科目です。

・在庫

・売掛債権

在庫は、滞留しているものがないか、過剰になっていないかを確認しましょう。仕入れ日順の在庫リストを確認する、在庫の回転率や回転期間を計算して他の月や同業他社と比較するなどの方法があります。

例えば在庫の回転期間(日)は「棚卸資産÷(売上原価÷365)」で求めます。棚卸資産がどの程度の期間で販売できたかを表す指標であり、日にちが長くなると滞留している在庫、過剰な在庫を抱えている可能性があります。

売掛債権についても、滞留しているものがないか、計上日順の債権リストで確認するとともに、回転率や回転期間を計算して他の月や同業他社と比較してみましょう。

自己資本比率を確認する

総資産に対して借入金が多すぎると、返済資金が負担となり資金繰りを圧迫する可能性があります。冒頭で紹介した東京商工リサーチの調査では、黒字倒産をした67.3%が債務超過とのことでした。一般的には最低でも自己資本比率*30%を確保したいといわれています。*自己資本比率=自己資本÷総資産

自社で適正と考えられる資金残高を保有する

さまざまな悪条件が重なっても、すぐに資金が不足しないために、一定の運転資金を確保しておきましょう。必要な資金の残高は、業種や規模によって異なります。売上がなくてもどの程度の期間経営できるのかを考え、目標とする資金を設定しましょう。

黒字倒産を避けるための対策

相続の相談はどこでできるのか?

黒字倒産を避けるためには、主に以下のような対策が考えられます。

  • 債権の回収、債務の支払いについて、サイト・条件の交渉
  • 不要資産の売却
  • 借入返済のリスケジュールの相談

本業で利益率をあげることや、販売数を増やすことが根本的な解決につながりますが、すぐには効果が出せないことが多いでしょう。資金繰りが逼迫した状態では、上記のような対策で、少しでも早く資金を確保していけるように、取引先や銀行と交渉していきましょう。

まとめ

会社設立の大まかなフロー

以上、黒字倒産の原因と、主な対策を紹介しました。損益計算書だけを見ていると、資金の流れが把握できません。キャッシュフローを把握し、貸借対照表を見て自社の資金の流れ、資金の残高を把握していく必要があります。

資金繰りを含めて経営改善をしたい方は、税理士などの専門家へ依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。

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