土地の相続税が払えない場合は?現金以外での納付方法もある

不動産

地主が亡くなった際、保有していた不動産は相続人が相続しなければなりません。そして、通常の相続と同じく相続税を納める必要があります。しかしながら、近年では空き家などの利用されていない土地が増えていることもあり、相続税の支払いが困難なケースがあります。

また、今後も少子高齢化が進むなかで地方では利用されることのない不動産が増えていくことでしょう。もし、そのような不動産を相続しなければならない場合には、どのような対策を講じたほうが良いのでしょうか?ここでは地主の相続税の支払いが厳しい場合について解説します。

地主の相続税が払えない理由

地主の相続税が払えない理由

通常、相続税は現金で一括納付です。しかし、地主の死による相続ではまれに相続税を納付できないこともあります。その理由は、現金化がしづらい点や遺産分割協議が進まないといった点が挙げられます。

現金化がしづらい

相続において不動産は評価額というものがあり、その評価額も年によって変わります。また、不動産は大きな金額となるため、売却したとしても人気の不動産でない限り購入者が現れづらいというデメリットがあります。

そのため、地主の相続税を納付する際は、あらかじめ納付できるお金を準備しながら、不動産の売却で得た資金に頼らないことがポイントです。

遺産分割協議が進まない

遺産分割協議とは、遺言書とは異なる割合で遺産を相続したい場合に行われます。そして遺産分割協議は相続人全員で行われなければならず、相続人が遠方にいる場合や仕事で忙しい場合などは協議が進みづらくなることもしばしば。

相続税の納付期限は、相続の開始を知った日から10ヶ月以内となり、とりわけ不動産が相続財産に含まれる場合は土地の評価を税理士に依頼するといった手続きが想定されるため時間がかかる傾向にあります。そのため、なるべく先手を打って早めに協議を進めなくてはなりません。

相続税が払えない場合には?

相続税が払えない場合には?

では、地主の相続税が払えないケースにおいては、どのように対処すれば良いのでしょうか?何かしらの財産を現金化する方法であったり、物納といった方法が挙げられます。

財産を現金化する

不動産や株式などの財産をあらかじめ現金化しておくことで、相続税が払えないといったトラブルを未然に防げます。売却時には、「査定を受ける前に、法務局から入手できる測量図を用いて土地の詳細情報を得る」「複数の不動産会社に査定を依頼する」といった方法を採用すれば的確な価格で現金化できるでしょう。

時期によって評価額が変動する株式よりも、不動産のほうが価格が安定しやすい傾向にあります。しかし、先ほど述べたように不動産を売却しても購入者が現れにくいケースがあるため、被相続人が生前のうちから早めに対策を講じておくと良いでしょう。

物納を利用する

相続税の納付は、原則として現金での一括払いです。しかし、特例として現金で相続税を払うことが難しい場合は、不動産や国債といった現物を現金の代わりに納める「物納」といった手段があります。

各種控除を使って相続税の負担を軽減

各種控除を使って相続税の負担を軽減

地主が亡くなったときの相続において、様々な控除を利用することで相続税負担を減らすことができます。例えば、生前から相続人に贈与を行ったり、相続時での基礎控除や配偶者控除の適用が挙げられます。

生前贈与

相続税の節税で行われる対策として最もオーソドックスなのが生前贈与です。生前贈与では、子や孫への年間110万円までの贈与が非課税となります。しかしながら、生前贈与を毎年同じ人物に行っていると税率が一気に上がるため、時期や人物をずらすことが大切です。

なお、相続開始までの3年以内に行われた贈与については110万円以内であっても課税対象となるため注意しましょう。

配偶者控除

相続税における配偶者控除では、被相続人の配偶者が財産を相続した際に、課税対象が1億6,000万円までの財産であれば相続税が課税されません。そして、1億6,000万円を超えていたとしても法定相続分の範囲内であれば相続税が課税されない制度です。

この制度は、配偶者であれば被相続人の財産形成に貢献していると考えられており、残された配偶者の生活のことを配慮したうえで設けられています。また、相続税における配偶者控除を受けるためには一定の条件を満たしていなければなりません。

1億6,000万円もの控除が適用されるため、土地の価格が高額となる場合などに有効でしょう。とはいえ、配偶者控除を使うと二次相続に影響が出ることもあるので、適用時には気をつけましょう。

基礎控除

相続税は基本的に被相続人(亡くなった人)の遺産総額が基礎控除額を超えた場合にのみ課税される税金です。基礎控除額を求める計算式は下記です。

基礎控除額=3,000万円+500万円×法定相続人の数

例えば、父親が亡くなり、母親と子供2人が相続人の場合の基礎控除額は「3,000万円+500万円×3=4,500万円」となり、4,500万円を超える遺産があった場合に相続税の申告が必要となります。しかし、法定相続人の人数が多くなると(兄弟や子が多い、など)その分基礎控除額も増えるため、相続税の負担が減る傾向にあります。

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