空き家相続で兄弟間トラブルを回避!3,000万円特別控除も解説

不動産

空き家問題は、近年ますます深刻化しており、兄弟間での相続も例外ではありません。所有権の移転や管理、解体費用などさまざまな課題が潜んでいます。本記事では、兄弟で相続した際の解決法を中心に解説します。

相続でお困りの方は一度、税理士に相談することをおすすめ致します。

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兄弟間で空き家を相続した場合、さまざまな課題が発生する可能性があります。兄弟相続の空き家問題には、以下のような課題が挙げられます。

  • 価値観の違いによる対立
  • 経済的な負担
  • 所有権の明確化
  • 相続税の負担

それぞれ説明します。

価値観の違いによる対立

兄弟間であっても、異なるライフスタイルや価値観を持っているため、空き家の扱い方を巡って以下のように意見が対立するケースがあります。

居住 居住や賃貸、売却などの空き家の利用方法
維持管理 修繕費や固定資産税などの維持管理費用の負担割合
解体 老朽化が進んだ空き家を解体するかどうか

意見の対立は、兄弟間の関係悪化につながる可能性があるため、注意が必要です。

経済的な負担

空き家の維持管理には、固定資産税や修繕費のような費用がかかります。兄弟間で費用を分担する場合、それぞれの経済状況や負担感によって、不公平感が生じる可能性もあるため、注意が必要です。

所有権の明確化

兄弟間で空き家を共有する場合、所有権の明確化が重要です。しかし、共有登記手続きには時間がかかり費用も発生するため、所有権を明確化しないまま放置されるケースも多く見られます。

相続税の負担

空き家を相続する場合、相続税がかかる可能性があります。特に、都市部の空き家は高額な評価を受けるため、相続税の負担が大きくなるケースもあります。さまざまな課題を克服するためには、事前に兄弟間で十分な話し合いを行い、共通認識を持つことが重要です。

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兄弟間相続で空き家問題を解決するための方法

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兄弟同士で空き家を相続した場合の解決方法としては、主に以下の3つの方法が挙げられます。

  • 単独登記型の換価分割
  • 共有分割
  • 売却

それぞれ説明します。

単独登記型の換価分割

兄弟間で空き家問題を解決するための有効な方法として注目されているのが「単独登記型の換価分割」です。単独登記型の換価分割とは、相続人の中から選定された代表者が空き家を単独名義で取得し、売却後に売却代金を相続人全員に分配する方法です。具体的には、以下の手順で進められます。

  1. 遺産分割協議書の作成
  2. 相続登記
  3. 空き家の売却
  4. 売却代金の分配

単独登記型の換価分割には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
  • 簡易な手続き
  • 相続税対策(一定の要件を満たす必要がある)
  • 売却までがスムーズ
  • 代表者へ負担が集中
  • 合意形成の必要性

単独登記型の換価分割は、兄弟間で空き家問題を解決するための有効な方法ですが、デメリットも理解した上で検討しましょう。

共有分割

共有分割とは、空き家を兄弟間で共同所有する分割方法です。具体的には、以下の2つの方法があります。

現物分割 空き家を物理的に分割し、それぞれが単独所有する形です。土地が十分に広い場合や、建物の構造上分割が容易な場合に適しています。
代償分割 一方の相続人が空き家を単独所有し、他の相続人に金銭でその分の価値を支払う方法です。空き家を一人で所有したい相続人や、空き家を維持管理する能力がない相続人がいる場合に適しています。

共有者は所有権を共有するため、家屋の修繕や維持管理、賃貸借契約などの意思決定を共同で行う必要があります。共有分割のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
  • コスト削減
  • 感情的な負担軽減
  • 意思決定の困難
  • 管理責任が不明確

共有持分や家賃収入の分配方法、管理・修繕費用の負担方法などを明確にして、書面で記録しておくことが重要です。共有分割は、空き家問題を解決するための有効な手段の一つですが、デメリットも理解した上で慎重に検討する必要があります。

売却

売却は、空き家を兄弟間で現金化する最もシンプルな方法です。売却益を分配すれば、公平な解決を目指せます。売却には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット デメリット
  • 管理・修繕費用の負担がなくなる
  • 将来の計画が立てやすい
  • 思い出の詰まった家をを手放すことになる
  • 譲渡所得税の支払いがある

売却が成功するためには、適切な価格設定と売却活動が重要です。また、譲渡所得税の支払いも事前に確認しておく必要があります。一定の条件を満たせば、3,000万円の特別控除を受けられます。

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3,000万円特別控除で節税効果を最大限に!

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マイホームを売却する際に適用できる「3,000万円特別控除」は、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。特例を活用すると、譲渡所得税の負担を大幅に軽減できます。しかし、3,000万円特別控除の適用を受けるためには、以下のような要件を満たす必要があります。

所有期間
  • 売却する家屋に5年以上継続して居住している
利用目的
  • 売却する家屋を主として居住のために利用している
  • 売却する家屋を別荘などの趣味・娯楽・保養目的で使用していない
その他
  • 売手と買手が特別な関係ではない
  • 売却する家屋は他の特例の適用を受けていない

これらの条件を満たせば、最大3,000万円の譲渡所得から控除を受けられるため、譲渡所得税を大幅に軽減できます。空き家相続で兄弟間トラブルを回避するためにも、3,000万円特別控除の適用要件をしっかりと確認し、節税効果を最大限に活かしましょう。ただし、上記の内容はあくまでも概要です。詳細は国税庁のホームページでご確認ください。

まとめ

空き家を相続すると、さまざまな問題が発生する可能性があります。兄弟間での空き家相続問題は、いくつか解決法がありますがそれぞれにメリット・デメリットがあります。慎重に検討して、最善の選択をしましょう。3,000万円特別控除などの優遇措置がありますが、一定の要件もあるため、詳細は国税庁のホームページで確認しましょう。

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