創業融資を自己資金なしで受ける方法を徹底解説!

税務情報

創業時にまとまった資金が必要にも関わらず、自己資金がない場合、融資を検討することも多いかと思います。資金を貯めてから開業するのがベストですが、スピード感が必要なケースもあるでしょう。そのような場合に、融資は大変便利です。特に「創業融資」では、創業時の経営者を支援し、低金利でまとまった金額を借入できます。

しかし「原則として創業融資を申し込む際には自己資金が必要」と考えて最初から諦めてしまうケースもあるのではないでしょうか。この記事では「自己資金なし」でも創業融資を受けられるケースがあること、およびその方法を紹介します。

創業融資とは |「自己資金確保」が要件になるのは一部のみ

創業融資とは |「自己資金確保」が要件になるのは一部のみ

創業融資とは、創業時に申し込みができる借入の制度です。通常、融資は経営実績や財政状態を確認した上で融資の可否を検討しますが、創業時では実績がないため、今後の経営計画を中心に審査されます。

創業時に申し込みする融資には以下があります。

  1. 日本政策金融公庫の創業融資
  2. 自治体の制度融資
  3. 民間金融機関の融資で信用保証協会付きのもの(創業時に申し込みが可能な融資)

この中で、日本政策金融公庫の「新制度融資制度」では自己資金が必要なことが要件となっています。

1.日本政策金融公庫

日本政策金融公庫で創業時に融資を申し込みができる制度は、以下のとおりです。詳細な要件はリンク先を参照ください。

(1)新創業融資制度

(2)中小企業経営力強化資金

(3)挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)

(1)新創業融資制度

新創業融資制度は、原則として無担保・無保証人で利用でき、低金利、かつまとまった金額の借入ができるため、創業時に融資を申し込みする場合にまず検討したいところです。ただし原則として「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる」ことが要件となっています。

一方で以下にあたる場合には、自己資金の要件を満たさなくても申請が可能です。

お勤めの経験がある企業と同じ業種の事業を始める方で、当該業種の企業に通算して5年以上お勤めの方
創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受けて事業を始める方

引用:日本政策金融公庫

詳細は日本政策金融公庫のホームページ「自己資金の要件を満たすものとする要件」を参照ください。

(2)中小企業経営力強化資金

中小企業経営力強化資金を申請できる主な要件は、以下のとおりです。両方の要件を満たす必要があります。

「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用しているまたは適用する予定の方であって、自ら事業計画書の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方

引用:日本政策金融公庫

自己資金の要件はありません。

(3)挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)

挑戦支援資本強化特別貸付は、技術・ノウハウ等に新規性がある場合などに申請できます。こちらも自己資金の要件はありません。

2.自治体の制度融資

地方自治体が金融機関と連携し、信用保証協会付きで融資をしているものです。自己資金の確保の可否を含めて、自治体によって要件が異なるため、希望の地域の要件を確認しましょう。

3.民間金融機関の融資で信用保証協会付きのもの(創業時に申し込みが可能な融資)

民間の金融機関でも、創業に特化した融資があります。ただし、すべての金融機関で扱っている訳ではないため、確認が必要です。

明確な要件となっていなくても、自己資金が確保できていなければ実質的に融資を受けるのは難しいとも言われています。状況を説明し、個別に確認していくしかないでしょう。

「自己資金なし」で創業融資を受けられるようにするためには

「自己資金なし」で創業融資を受けられるようにするためには

日本政策金融公庫の「新制度融資制度」では、原則として自己資金確保の明確な要件がありますが、要件がない融資も多くあります。

しかし、銀行側の審査では返済可能性があるかどうかは重要な審査事項であり、実質的に融資がおりるかどうかは、自己資金の有無も含めて事業計画などを見ながら総合的に判断されます。自己資金がないと不利になることは確かでしょう。

自己資金がなくても借入をしたい場合には、以下の方法が考えられます。

  • 今後「返済可能」と納得させられるような事業計画書の作成
  • 認定経営革新等支援機関に依頼をして、指導および助言を受ける
  • 融資金額を必要最低限とする

金融機関の審査ポイントを踏まえて、税理士などの認定経営革新等支援機関と相談しつつ、事業計画を作成していくとスムーズでしょう。しかし自己資金がないと、融資額が減る、金利が高くなるといったデメリットを被る可能性が高くなります。

「自己資金なし」の場合に検討したい資金調達方法(創業融資以外)

「自己資金なし」の場合に検討したい資金調達方法(創業融資以外)

融資以外で資金調達をおこなう方法を紹介します。

(1)出資

出資金は返済の必要がありません。しかし出資者は株主として経営権を持つことになるため、誰にどの程度出資してもらうかは慎重な判断が必要です。

(2)クラウドファンディング

インターネット上でプロジェクトを公開し、それを見た不特定多数の方から資金を募るものです。クラウドファンディングにもさまざまな種類がありますが、共通するデメリットは、思うように資金が集まらない可能性があることです。

また、金利の負担が重くなるケースもあるため、要件をよく確認しましょう。他にも、知人や親戚から借りるという方法もありますが、返済できない場合トラブルになるため注意しましょう。

まとめ | 自己資金がない場合は認定支援機関に相談してみましょう

まとめ | 自己資金がない場合は認定支援機関に相談してみましょう

自己資金がない場合でも、創業融資を申請できます。しかし、実際に融資が降りるかどうかは審査の結果によることになり、実質的には自己資金がないと不利になることは確かでしょう。

審査に通るためには、実現可能性のある事業計画の作成などが必要です。そのためには、融資に慣れた専門家の力を借りるとスムーズでしょう。自己資金を確保できない場合には、税理士などの認定支援機関に一度相談してみてはいかがでしょうか。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP